本日発売されました、電子書籍「ハレム」内の「ナナとカオル 高校生のSMごっこ」18話を読んだ感想です。
18話「ゴムと裸とSとM」の見どころ・読んだ感想
18話は前回の話、ラテックスのスーツを着たナナちゃんをカオルが責めるお話のつづき。
表紙はラテックススーツを着たナナちゃんのカラーでした。
カオルの執拗な責めに抵抗しつつも、肉体的な快楽を求めてしまうナナちゃん。
と同時に自分が本当に欲している二人の関係が頭をよぎり・・・またしても甘く切ないお話に仕上がっていました。
時系列的にはその前の15話、16話よりも前に起きた話なので、順番を逆にして読むとまた違った感覚で「矢神告白編」を読めるかもしれません。
エロシーン多め
今回は「マッサージ」と称して、ナナちゃんの新しい皮膚と化したラテックスをねぶるプレイが描かれました。
カオルの手がナナちゃんの胸の上なども走り、それをナナちゃんが「気持ちいい」と感じてしまう・・・通常のエロ漫画みたいな描写が目立った印象があります。
個人的にはちょっと「ナナとカオルらしからぬ」といったイメージを受けたんですが・・・他のファンの方はどうだったでしょうね。
それにしてもプレイの最中に描かれた「5人のカオル」という表現はなんだか草が生えましたw
ナナちゃんが本当に欲しいもの
プレイの後半でふいにカオルの手がラテックスをまとっていないナナちゃんの皮膚に触れ、ナナちゃんは「プレイの外」にあるフツーの関係を求めてしまいます。
これこそが今、本当にナナちゃんが欲しいものであるということに本人もカオルも読者も気づかされるわけですね。
今回の話の核となるのはこの部分であり、前述の性描写というのもこうしたナナちゃんの気持ちを描くためには必要な表現だったのでしょう。
こういうところがすごく「ロジカルである」と言われる所以なんだろうなぁ・・・甘詰先生すごいよ、、、
少しだけ「ナナとカオル」が帰って来た気がする
個人的に、「ナナとカオル 高校生のSMごっこ(ラストイヤー)」に感じていたこととして、ナナちゃんの心境の変化による態度の違い・・・みたいなところがありました。
本編「ナナとカオル」では「いやいやしながら受け入れちゃう」っていうギャップ萌えというか、カオルに言い訳を作ってもらって仕方なく従うしかなかったナナちゃんという存在がありましたよね。
それゆえどこかMになりきれなかったり、プレイの最中でも「普段のナナちゃん」がでちゃったり。
それが続編の今作ではナナちゃんが「自分の気持ち」に気づいてしまったあとの話ということもあり、結構終始カオルにデレデレしてたり、トクン・・・ってしてたりって感じで、なんとなく本編のナナちゃんとは別人のような感覚があったんです。
※顔も違ってるしね・・・w
でも今回の18話では久しぶりにナナちゃんのキックが繰り出されたり、カオルに抵抗してみせたり・・・なんだか本編「ナナとカオル」が少しだけ帰って来たような新鮮味を覚えました。ありがたやありがたや。。。
ちょっとだけ素直になれたナナちゃん
今回のプレイではナナちゃんのもつ強欲さみたいなものも描かれていて・・・しかもそれを少しだけ素直に「欲しい」と口に出せたナナちゃん。よくできました。
本当は直に触れてほしいのに「ごめん タオル…”で”いい」と告げたあたり・・・カオルだったら裏の意味もしっかりと読み取れてますもんね。
くぅー・・・切ないw
そんなナナちゃんの欲求をくみ取ったのか、カオルは泣きながらナナちゃんのほっぺにキス。
目隠しをされていたナナちゃんは「指?」とキスされたことには気づいていないようですが・・・あれだな、予餞会予選の時のお返しだな!
二人の関係がフツーになったらどうなるんだろう?
今回の話を読んでいて、僕らはナナちゃんが望むフツーの関係というのを想像させられたと思います。
そもそも彼女は「M気質」ではあったものの、生粋のSM趣味人ではありません。
その根底には「カオル」がいて、カオルありきでのSMだったはずです。(だから清彦の方へ堕ちることはなかった)
では逆にナナちゃんが望む関係に進んでしまったら、カオルは、ナナちゃんは、それぞれ幸せになれるのでしょうか?
そもそも二人の間ではお互いが「好きだ」という気持ちを持っていながら、それが言葉にならないゆえにSMという関係でしかお互いを繋ぎとめることができないでいるわけです。
(それがユカリや矢神にとってはモドカシイわけで。。。)
もしその気持ちが言葉で通じ合うことがあったらどうなるんだろう?
カオルはナナちゃんから明確に「カオルが好き」と言葉で伝えて貰えたら、こんな歪な愛し方をせずとも満足なんだろうか?
ナナちゃんにとってはカオルとのフツーの関係が”息抜き”に勝るものになるんだろうか・・・?
※それとも今だったらカオルは「オレには相応しくない」と辞退できるのかしら・・・。
ラストイヤーは常に「終わっちゃう」を意識しなければならないのが辛い
18話本編の感想ではないのですが、今回読んでて思ったこと・・・それは「終わりに向かってるなぁ」ってことでした。
そりゃナナちゃんの決意も固まってるわけだし、矢神の告白も断ってるわけだし、もう突き進むべき道は一つしかないのだけれど。
やっぱりファンとしては終わってほしくないじゃないですか・・・。
今回も26ページがあっという間で・・・「終わらないで!終わらないで!」って願いながら読んでましたw
ちなみにこの18話を以って、ラストイヤーの3巻が形になるはずです。
そう思うと、4巻に収録されるはずの6話分は少なくとも続いてくれるわけですよね・・・。
あぁー、まだまだ二人の関係を見ていたいなぁ・・・!!