ナナとカオルが好きすぎて辛い

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読んだ感想

ナナとカオル 10巻のエピソードと感想

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ナナとカオル10巻の収録エピソードと、読んだ感想です。

10巻に収録されている話

タイトル 初出
第79話 犬を買うなら最後までなのは当たり前なのに ヤングアニマル 2012年No.11
第80話 「あ゙んっ!」 ヤングアニマル 2012年No.12
第81話 星空の下で ヤングアニマル 2012年No.14
第82話 しるし ヤングアニマル 2012年No.15
第83話 無限大の距離から ヤングアニマル 2012年No.17
第84話 AV犬 ヤングアニマル 2012年No.18
第85話 ナナの父さん ヤングアニマル 2012年No.19
第86話 ナナの笑顔 ヤングアニマル 2012年No.20
第87話 ナナの苦しさ ヤングアニマル 2012年No.22

10巻は2012年後半に、ヤングアニマルに掲載されたお話が収録されていました。

また、巻末には甘詰先生の先輩にあたる「ももせたまみ先生」による「[ナナとカオル]朗読劇CD第3弾♡ 制作現場レポ漫画!byももせたまみ」が収録されています。

※10巻の初回限定版には朗読劇CDが付属されていました。

エピソード別まとめ

犬編(9巻~第82話)

カオルの葛藤(第83話)

ナナ、ホンイキ声(第84話)

ナナの奥編(第85話~11巻に続く)

見どころ・読んだ感想

10巻は犬編の完結と、11巻に続くナナとカオル史上一番重いエピソード「ナナの奥」編(勝手に命名)が主な収録内容になります。

・・・がっ!

その間にある2つのエピソードもすごくって・・・。

なんていうかハズレの話がない感じ。
読者はグイグイと惹きつけられて・・・そのまま11巻を読まないわけにはいかなくなるわけです。

もうなんか甘詰先生もノリに乗ってたんだろうな~~~・・・って感じの巻でした。

オレ達の”息抜き”

カオルはプレイに夢中になっていて、準備が雑だったこと、一人で盛り上がってしまったことなどに落ち込みます。

とにかくカオルにはナナちゃんが完璧に輝いて見えてしまっていて、その横にいるためには自分も完璧でなければならないんですよね。

一つダメだったら全部がダメなんて・・・その気持ち痛いほどよくわかる。。。
でも、そんなカオルに館さんは「不誠実だ」と、「もっと千草さんを信じろ」と怒り、ナナちゃんはナナちゃんで一度家に帰されながらも”自分の意志で”戻ってきました。

決してカオルは一人で息抜きをしていたわけではなく、ナナちゃんも館さんも心から息抜きを楽しんでくれていたわけです。

Sだからどう振舞わなければならない、とかは二の次で。
カオルはもっとMの2人をしっかり見なければいけなかったんですね。

・・・にしても「あん♡あんっ!!」って鳴く犬ナナちゃん・・・可愛すぎ。。。

カオルはイイやつ!

犬プレイの休憩中、カオルがコンビニに行っている間に公園で話し合うナナちゃんと館さん。
いつの間にか「ナナ」「リョーコ」と呼び合う仲に。(カオルがプレイ中にそうやって呼んでたから。)

館さんは息抜きを通じて素直になるということを学んだり、カオルへの感謝とか憧れのようなものを抱いていました。
それをナナちゃんに伝えるときに「ボクはカオルのこと 好きだってことさ!!」と伝えてしまうも、どうしていいかわからないナナちゃんを見て「カオルってすげーイイやつッ ってこと♡」と表現を変えました。

なんとなくですが、館さんはカオルに対して「恋慕」という気持ちがないわけではないのだろうけど、それよりもナナちゃんとカオルの関係を尊重しているように感じますね。
だからこそ「いーなァ!」って思うところもいっぱいあるんだろうし・・・。

ナナちゃんも「カオルが好き」というのはまだ認められずにいるものの、「カオルはイイやつ」なら口に出しやすく・・・

カオルはイイやつっ!!

(ナ)ちょっと性格ひねてるけど♡

(館)ちょっと口やかましいけど♡

(館)頑固でメンドーなトコあるけど♪

(ナ)意地悪なトコあるけど!!

(ナ)学校で会うと無視するけどォ!!

(館)顔がカエルみたいだけど♪

(ナ)何度注意しても猫背直らないけどォ!!もォ♡

(館)ナナばっかりヒーキするけど♡

・・・と二人で意気投合。

いーなァ!!
もう、そういう欠点があっても「好きだ!」ってことだもんねえ。幸せものだなぁカオル。

ヒロくんいい仕事してたなぁ・・・

その後無事に終了時間を迎え、犬編は終了します。
最後の最後にカオルの顔を舐めるヒロくんをみて、館さんも真似してほっぺにチュー。

一瞬「ズキッ」としちゃうナナちゃんでしたが、「次はナナの番!」と館さんの後押しもあり・・・(素直な犬ということもあり)カオルのほっぺにキスをするのでした。

いやー、ヒロくんグッジョブ。
前回のファーストキス(7巻)はカオルにとって”なかったようなもの”なので・・・今回のキスは特別なものになったでしょうね~。(実際にキスされたほっぺに絆創膏張って登校してたぐらいなのでw洗ってないな!)

それにしても犬編はヒロくんの脇に出るセリフ風キャプションがおもしろくておもしろくてw
こういうさりげない演出って漫画ならでは、ですよねえ。

※なお、ナナちゃんがお風呂で用を足したのを見てなかったはずなのに、ヒロくんはユカリの家に戻ってからお風呂でおしっこをするようになったしまった模様

カオルを意識するナナちゃん

犬編がおわり、次の大きなエピソードとの間にある83話。

今まではカオルがナナちゃんの後ろ姿を目で追う日々だったのですが・・・この日は逆で、ナナちゃんが学校でカオルのことをチラチラと意識していました。

ユカリ曰く「ここ数日ナナ何かボーっとしてない?」とのことで・・・おそらくはずっとカオルのことを考えていたんでしょうね。

カオルもいつも通りナナちゃんを目で追うもんだから、必然的に目があってしまう二人。
そうなるとカオルは必要以上に意識してしまって・・・「ナナは本当は自分のことが好きなんじゃないか」と思うようになってしまいます。

・・・が、そう思えば思うほど、その横にいるべき男としてふさわしくない自分に絶望を感じ、カオルは葛藤するわけです。

手が届かねェもの…を 欲しがってる…か…ら

読者の僕らはナナちゃんがカオルのことをそんなに低く評価していないことを知っていますけど、カオルの立場になったらこの気持ちって痛いほどわかるんですよね。

ましてや息抜きなんて下手にしてしまったせいで「手が届くかも?」と期待してしまい・・・ほっぺにチューまでされて。
最初から期待していなければそこまで傷つかなかったかもしれないのに、期待してしまったからこそ余計に辛い・・・っていう。

だからって何もしないで諦めるのは辞めだと、ナナちゃんを肉の塊にした時(8巻)に決意したはずなんですけども・・・「無限大」に感じてしまうナナちゃんと自分の距離を本当に努力だけで埋められるのか・・・?

カオルの葛藤を知らないナナちゃんは無邪気にベタベタしてくるわけで、それがまたゲロ吐くほどカオルにとっては辛く、そして

ゲロ吐くくらい!!…ナナのこと
ナナが 好きだ

と再認識させられるのでした。

はぁ・・・このお話もまた最高に切なかったです。
なんかナナとカオルはこういう「大きい話の節目」にある小さなエピソードがすっごいヤバい気がする。

(そして校庭から学校にいるカオルを見上げる上目遣いのナナちゃんがヤバいほどかわいい・・・っていうのも見どころや!!)

ナナちゃんのホンイキ声

次のエピソード(84話)も見ごたえのある小さなエピソードでした。

内容は「星野の家の犬(リンダ)がAVのホンイキ声にだけ反応する」というもので・・・カオルの家でそれを検証した時に、意図せず壁をコンコンッと鳴らしてしまい・・・それを息抜きの合図と思ったナナちゃんが訪れてしまう・・・っていうお話。

「壁を鳴らしたらナナちゃんがカオルの家に来る!」ということが親友2人にバレるお話か!?と思いきや・・・星野家の犬がナナちゃんの「おっ おじゃましまーす♡」という声に反応して吠えまくりw

つまり、ナナちゃんは息抜きを期待してカオルの部屋に来る時、ホンイキに近い状態で来ているということがわかるエピソードだったということです。
これもすっごいいいお話w作中で1、2位を争うぐらいに好きなお話かも。

星野家の犬は「声」に反応していたというより、おそらくは女性が感じる時に発するフェロモンのようなものに反応していたのかもしれません。

まぁ・・・真相はわからないんだけれども。
犬は他の何かを感じ取っていたのかもしれないし・・・。

きっと親友二人には「千草がホンイキ声?」「まさかねぇ」みたいな感じで処理されたんだろうなぁ。

うかれるナナちゃん・・・からの

85話からはついに、作中で一番重いエピソードとも言える、「ナナの奥」のお話が始まります。

序盤は日々が充実しまくっていてうかれるナナちゃんが描かれており・・・「うししっ」って笑ったりする無邪気なナナちゃんを見て「このまま続いてくれー!!」と思った読者も多かったことでしょう、、、

でも漫画における、こういう「いい時期」の描写って、この後訪れる嫌な事の前振りでしかないんですよね・・・。
そうでなくっちゃドラマが生まれないものね。。。

案の定、ナナちゃんがカオルとのキスなんかを妄想してうかれまくっている最高潮のところに・・・お父さんからのメールが届きます。

翌日以降、ナナちゃんの顔からは本当の笑顔が消え・・・せっかくいい感じになっていたカオルともギクシャクしていくように。

ナナの父

初登場のお父さんはなんと37歳という設定。
お父さんが高校生の時に家庭教師をしていたナナちゃんのお母さん(当時大学生)と関係を持ち、20歳の時に父になるという・・・まぁ、そういうお父さん。

すっごいダメな人というわけではないんだけれど、人生を本気で生きていないような・・・輝いていない存在として描かれ、少なくとも僕の心をえぐってくれました。

人生って、誰もかれもうまくいくわけじゃないんですよね。
司法試験を目指してたって受からない人がたくさんいるわけだし・・・。

そこで息抜きにパンを焼いてみたらうまくいって「パン屋になろうかな」って思う人だっている。
※カメラを買ったから「カリスマカメラマンになる」って思う人だって。

それが全然悪いことだとは思わないんだけれど、ナナちゃんやナナちゃんのお母さんをイラつかせる原因となっているのもわかるだけに・・・読んでいて本当に辛かったです。

・・・ただ!!

ナナちゃんはそんなお父さんへのイラつきに対して胸を痛めているのではなく・・・自分を間に挟んだ「両親の関係」というところに納得がいってないんですよね・・・。
この話は2話前のカオルが感じていた「期待をするから裏切られた時に辛い」ということへのアンサーソング的に描かれているのかな。

結局自分を母親に、カオルを父親に重ねてしまって・・・いつかお互いを裏切ってしまうのではと不安になっているというか。

そのあたりの想いを外に出せず・・・カオルにすら話すこともできず・・・、一人でしまいこんでしまって、結果的にカオルにも辛く当たってしまうという。。。いやなお話やで・・・。

ジッと待つカオル

その後、なんとか平静を取り繕おうとするナナちゃん。
・・・が、その笑顔の裏に父親の事があったと理解するカオル。

カオルがエスパーみたいな能力を発揮したわけではなく・・・しっかりナナちゃんのことを考えて考えて・・・ってしたからこそ辿り着いた結論なんでしょう。ほんとイケメン。

「学校では無視する」というルールを自分から破り、ナナちゃんのトイレ出待ちをしてまで何があったのか聞こうとするも拒絶され・・・それでも夜中に「父親のことで悩んでいるんだ」と気づいたカオルが取った行動は・・・ナナちゃんがノックをするまでジッと壁をにらんで待つ、というものでした。
(カオルが何日待ったのかは作中からは読み取れませんが・・・連日それを待ち続けたんでしょう、、、)

ナナちゃんがドロドロした自分の気持ちに耐え切れず深夜2時過ぎにノックした時、即座に”いつもの3倍のノックで返す”という漢気を見せたカオル。

このときのナナちゃん・・・嬉しかっただろうなぁ・・・。

カオル、ナナちゃんを救ってやってくれー!!!ってところで次巻に持ち越しです。

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