ナナとカオル14巻の収録エピソードと、読んだ感想です。
14巻に収録されている話
タイトル | 初出 | |
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第115話 | 借り | ヤングアニマル 2014年No.9 |
第116話 | 館がSでカオルがMで① | ヤングアニマル 2014年No.11 |
第117話 | 館がSでカオルがMで② | ヤングアニマル 2014年No.12 |
第118話 | 館がSでカオルがMで③ | ヤングアニマル 2014年No.13 |
第119話 | 館がSでカオルがMで④ | ヤングアニマル 2014年No.14 |
第120話 | 館がSでカオルがMで⑤ | ヤングアニマル 2014年No.15 |
第121話 | 館がSでカオルがMで⑥ | ヤングアニマル 2014年No.16 |
第122話 | 館がSでカオルがMで⑦ | ヤングアニマル 2014年No.17 |
第123話 | ボクのアメとムチ | ヤングアニマル 2014年No.19 |
14巻は2014年中に、ヤングアニマルに掲載されたお話が収録されていました。
エピソード別まとめ
新しい首輪で夜の散歩(13巻~第115話)
カオルがMに(第116話~14巻に続く)
見どころ・読んだ感想
14巻は首輪デートで館さんに借りを作ってしまい、カオルが身をもって「アメとムチ」を教える・・・という内容になっていました。
ほぼ1冊まるまる館(S)×カオル(M)というお話で・・・ナナカオエピソードが見たい人にとっては少し物足りない感じかな・・・とも思います。
ただまぁ、最終的にはカオルとナナちゃんの関係を一歩深める結果となったので必要なお話だったのかもしれません。
普通に忍び込んでるナナちゃん
ナナちゃんのピンチを助けたということで無事カオルに借りが出来た館さん。
榊原の教育のため、「カオルのテクニックを教えてほしい」と頼み込みに来ます。
なんとその話を・・・カオルの部屋のドアの外でナナちゃんが盗み聞きしていました。
「心配で来ちゃった」とか心の中で思ってますけど、この2人って本当に相手の家に入ったり出たりが自由なんだなぁ。どうやってんだろうw
まぁ・・・今回は館さんがこっそりナナちゃんを入れてたような気もするけども、他のエピソードだと普通に家に出入りしてたりするんだよなぁ。
常にカギが開いてるんだったらわかるけど、ちょっと不用心なような。
ボクがカオルを縛るっていうの
館さんの狙いは自分がSとなってカオルを縛ることで、その時の気持ちのリードの仕方を勉強したい、というものでした。
彼女は彼女でカオルのSっぷり、アメとムチの使い方を尊敬しており、たとえカオル本人だとしてその行為を「大した事ない」というのなら許さないというほど。
なのでカオルが縛られながら「ここでこういえば効果的」みたいなのを館さんに教える・・・というのが望みだったようです。
それを聞いてカオルが縛られる姿を瞬時に想像するナナちゃんw
ドクンドクンしてたのでやや興奮気味だったんでしょうねえ。。。
その後自分が女王様になってカオルを調教する姿まで想像してゾクゾクしてましたので・・・SもMも根底は一緒というのがわかる1シーンでした。
館、FUN LOVE初来店
結果、カオルを縛ることになった館。
そのための拘束具がないということで、ナナちゃんと共にFUN LOVEを訪れます。
(っていうかこの時点で二人ともまだ17歳だし、本来ならここを安易に出入りしてはいけないはずなんだけど・・・w)
カオル用の調教グッズをあれこれ選び「カオルは男の子だからこれぐらい平気だろ」とワクワクする館さん。
一方ナナちゃんは「やっぱり嫌だ…リョーコがカオルに”息抜き”するなんて」と後ろ向きな様子。
”息抜き”をスポーツの感覚で楽しむ館さんは、思いっきりキツイ刺激をカオルに与える必要があると思い込んでいます。
ギリギリまで耐えて、ばぁって解放される気持ちよさが息抜きの醍醐味であって、それはナナちゃんも否定できないのでありました。
でも・・・
この位なら平気だろう とか
この位は苦しまなきゃ なんて
そんなのきっと きっとカオルはしないよそんな”息抜き” ”息抜き”にはならないって思うから…
ナナちゃんはカオルがする息抜きはスポーツ感覚のソレ・・・いや、自分本位で進めるものとは違うということを告げます。
まぁ・・・カオルはカオルでナナちゃんが苦しむ姿を妄想して興奮してたりしたけどねw
でも二人の間にある”息抜き”っていうのはあくまでもM側が主体であって、S側のやりたいことを押し付けるものではなかったはず・・・ということなんでしょう。
そんな話を聞いていた橘さんもそこに合流し、「人と人が関わる全てがコミュニケーション」であると館さんに説きました。
※これが館さんと橘さんの初顔合わせだったりする。
ナナちゃんのめっちゃ怖い表情
橘さんの説明を受けて「まだ自分は息抜きをさせる側ではない」と悟った館さん。
そのまま諦めるかと思いきや・・・橘さんに「次の息抜きを手伝ってほしい」と懇願しました。
その時のナナちゃんの怖い顔www
そりゃ面白くないですよね。
だって自分のご主人様を、ライバルと思っている女性が奴隷にするって言ってるわけですから。。。
独占欲の強いナナちゃんなら当然嫌に決まってます。
こういう顔、時折見せてくれるけどめちゃくちゃ可愛いんだよなぁ・・・。
ただ、ナナちゃんが嫌がっていたのはそういう理由だけではなく、カオルがSからMに転じてしまうことで二人の関係が壊れてしまうのでは・・・?という不安もあったのかもしれません。
橘さんの協力でカオルがMに
結果、橘さんの協力を得ることになった館さんはカオルとの「逆息抜き」を開始することに。
橘さんはとても賢い人なので・・・この時点ですでに結末がわかっていたのかもしれませんが、ただ純粋に楽しんでいただけだったのかも?
ここからはSMの極意のようなものを橘さんを通じて教えてもらえるので、Sになりたい願望がある人は勉強になるかもしれません。
僕はとにかくカオルがM側に回る話が辛すぎて・・・あんまり読んでいられなかった。
SとMは単なる役割
このお話では「Sであるカオルが責められることでMに転ずることがあるのか?」というところが見どころの一つだと思っていまして。
それを説明するのに橘さんが更科先生の
人間はSとMに分けられるのではない
SMをする者と必要としない者にだけ分けられる
という言葉を紹介していました。
つまり、誰しもがSおよびMを演じられるというわけではなく、それが必要な二人が必要に応じて役割を割り振られるだけ・・・というもの。
僕はその本質はわかりませんので「ふーん」って感じでしか読めませんでしたが・・・要はナナちゃんが想像していた「女王ナナ様(S)×奴隷カオル(M)」というのだって、SMが必要な二人にとってはありうる話だったということですね。
まぁ確かにカオルはナナちゃんに道具を試す前に自分で実験して痛さを確認したりしてるわけだし・・・ありえない話でもないのかな。
ナナちゃんが参加した理由
本来であれば、自分のご主人様がM堕ちしてしまうかもしれない姿なんて、絶対に見ない方がいいと思うのです。
橘さんも今後の二人の関係が崩れてしまう可能性があるなら見ない方がいいと言ってましたし。
でもナナちゃんは参加した。
それは、橘さんの
私は…知りたい
いつもあの人がどんな一面を隠してきたのか知りたくなるわ 全て
それに!見てみたくはありませんか?
いつも私をいじめるあの人の いじめられている表情(かお)♡
という言葉を受けてのこと。
不安半分、信頼半分。
あとは興味の部分が大きかったのかな。
この橘さんの発言もなかなかに、「どちらがSでどちらがMなのか」というのを物語っているようにも聞こえますね。
手のひらで転がされているのは果たしてナナちゃんなのか?更科先生なのか?
認めてしまえば楽になる
館さんに責められ続けるカオルをマジックミラー越しに見ていたナナちゃん。
嫌がるカオルの心の声を感じ取ります。
それは、「オレはMじゃないから気持ちいいわけない」というもの。
それはかつてナナちゃんが感じていた葛藤で、でもだからこそ「Mだって認めることができたら・・・今より楽になれる?」ということもわかっているわけなのです。
Mの本質っていうのはそこなのかもしれないですね。
身体の動きも思考も全てを委ねてしまうことで、楽になれる。そこに快楽を感じられる・・・というか。
乳首をいじりすぎちゃったナナちゃん
プレイの最中、館さんがカオルの乳首を責めるシーンがあり、カオルはそれに勃起してしまうのですが・・・そんな姿をみていたナナちゃんは自然と自分の胸に手が伸びてしまいます。
で、くりくりと乳首をいじりだすんですね・・・。
結果的に制服のブラウスの上から形が分かるほどに乳首が勃ってしまうナナちゃん。。。どうしちゃった??
なんかそんな子に育てた覚えはないっていうか・・・今までこんなことなかったよね??
首輪デートでのカオルの調教が効いてしまったんでしょうか、、、
あー・・・でも初めてFUN LOVEに行った時にひょんなキッカケで買ってしまったイチゴのローター、自然な流れで胸に押し付けてたこともあったっけ。。。
個人的には「ナナとカオル」の良さって、直接な性描写のなさに対してのエロさにあると思っていたんですが、、、これは直接的にエロいなぁw
もう、普通の人にオススメできないじゃん!
M堕ち寸前のカオルを助けたナナちゃん
館さんに責められ続け、身体を預けてしまうカオル。
ナナちゃんもそんなカオルの表情を「私の顔」と表現するほどに、カオルはM堕ちしかかっていました。
そんな姿を見て「カオルが傷つくぐらいなら(もうSを演じなくてもいい)」と一瞬諦めかけますが、そこは強欲なナナちゃんです。
マジックミラーを裏から叩きつけ、カオルの眼を覚まさせました。
すごい。力技!!
自分を取り戻したカオルは一言
オレはッ 千草奈々のッ ナナのッSだッ!!!
と叫びます。
安堵するナナちゃんと、堕としきれずに落胆する館さん。
ただ、やっぱり危ういところだったんですよね。
その後「気持ちよかったんだろ?」と尋ねれらたカオルは「んなことねーよッ」と否定するものの「オッオ オレはッ Sじゃなきゃ…」と発言していました。
そう、カオルだってM堕ちした方が楽だということに気づいてしまっていて。
でも自分がSMを必要とするのはそこにナナちゃんがいるからで。
そのためには自分はSでなければ、Sを演じなければならないという使命感のようなものが最終的に勝ったということだったんでしょう。
ただそれはそれとして、館さんのSは上手だったということを認めて、このプレイが終了となりました。
イッチャイチャするふたり
僕がこの巻で一番の見どころだと思ったのは、プレイ後のナナちゃんとカオルです。
いつも通りナナちゃんに悪態をつくカオルに対し、
そんなこと言うと ほどいてあげないぞ♡
と余裕のナナちゃん。
きっ!気になるのに…決まってるじゃん!
気になるよ だって…だってだって かっカオルは カオ…ルわっ わっ…私の S なんでしょ?
こんなイチャイチャを見せつけられる館さんの身にもなれ、とw
でもほんと、先ほどの橘さんの言葉じゃないですけど、手のひらで転がされているのは果たしてどちらなのか?
SとMは本質的に同じである・・・というのがわかったような、そんな一幕だったと思います。
カオルの縄をほどいてあげたナナちゃん・・・調子にのってカオルの乳首をさわり「あれェ?手に何か当たるよ?カオル♡」とまたイチャイチャw
ここのシーン、、、最高でしたね!
この二人、気持ちの告白から性行為ということをすっ飛ばしているだけで、やっぱりそれ以上の心の絆みたいなものがあるんだろうなぁ。
終わっちゃう
ネタバレになりますが、全18巻の「ナナとカオル」はこの時点で残り4巻となり、次の15巻は大半が「川上先生と彼氏」の話に費やされ、翌16巻から17巻まで長い「沖縄編」、そして最終エピソードが待つ18巻という構成になっています。
沖縄編は最終エピソードへ向かうための「最後の息抜き」であり、本編で描かれる二人の日常的なお話はここら辺が最後だったのかな・・・という感じ。
この時リアルタイムで読んでいた人たちはどんな思いでこの辺のお話を読んでいたんでしょうかね~。
まだまだ終わらないと信じていたのかもしれない。
一応「ナナとカオル」は18巻で終わりを迎えるものの、その後は「ラストイヤー」という作品が再開されていて僕らはまたあの二人に会うことができるのですが・・・ラストイヤーだと微妙に二人の関係も変わっていて・・・っと、その話はまた別の機会にしたいと思います!