ナナとカオル15巻の収録エピソードと、読んだ感想です。
15巻に収録されている話
タイトル | 初出 | |
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第124話 | 本音 | ヤングアニマル 2014年No.20 |
第125話 | えすえむがしたい!! | ヤングアニマル 2014年No.21 |
第126話 | ひとりじゃない | ヤングアニマル 2014年No.22 |
第127話 | ゆうきをだして | ヤングアニマル 2014年No.23 |
第128話 | はじめてのえすえむ | ヤングアニマル 2015年No.1 |
第129話 | これがえすえむのちから | ヤングアニマル 2015年No.2 |
第130話 | えすえむはいらない | ヤングアニマル 2015年No.3 |
第131話 | 高校3年生の青い春① | ヤングアニマル 2015年No.5 |
第132話 | 高校3年生の青い春② | ヤングアニマル 2015年No.6 |
15巻は2014年後半~2015年前半に、ヤングアニマルに掲載されたお話が収録されていました。
エピソード別まとめ
カオルがMに(第116話~14巻に続く)
川上先生と彼氏の話(第125話~第130話)
沖縄編(第131話~16巻に続く)
見どころ・読んだ感想
15巻はほぼ1冊まるまるが川上先生と彼氏さんのエピソードに充てられていました。
なぜ連載終了間際に、そんなモブの話を3カ月もかけて描かれたのか・・・その真相は最後まで読んだ今でもよくわかりません。
個人的にはすごく違和感があるというか、、、本当になくて良かったんじゃないか、、、ってエピソードに思えます。
・・・ナナちゃんもほとんど出てこないし。
で、その後は17巻にまで続く長い沖縄編がスタートします。
館さんが出した答え
カオルを縛る・・・ということを通じて、館さんが榊原に対して出した答え、それは「自分の本音(むきだし)をぶつける」ということでした。
人と人が関わる全てがコミュニケーションという橘さんの言葉、そして全力でぶつかれば全力で返してくれるカオルという存在から、榊原をどうにかコントロールしようとしていた自分の誤りに気付いた、といったところでしょう。
結局は他人を意のままに動かすなんてことはできるはずがなく、自分にできることは他者を尊重してそこに寄りそうことでしかないんですよね。
逆に自分が他者に影響を与えるようなことをしてしまうのであれば、その責任はしっかりと受け止めなければならない、と。
そうなんだよなぁ・・・カオルは常にそういう想いと戦いながらナナちゃんと息抜きをしていたわけで。
一歩間違えたらただただ嫌われてしまうかもしれないギリギリのラインを手探りでなぞっていっていたんだろうなと思わせられました。
川上先生のエピソード
15巻に収録されている9話のうち、実に6話が川上先生とその彼氏のエピソードに割かれています。
内容は彼氏に性的なトラウマがあり、性行為の最中に中折れしてしまう・・・というもの。
※というかこの中折れの話を「可普留」(ナナちゃんたちもよく利用する喫茶店)で友人に明かしている川上先生・・・ツワモノというか、不用心というかw
本編との絡みはそこまでないサイドストーリー的なエピソードなので・・・「ナナとカオル外伝」みたいなお話になってますね。
一応、彼氏さんが「捨てられてしまったナナちゃんの初めての首輪」を偶然ゴミ収集のバイトで拾っているとか、SMプレイについての相談をネットを通じてカオルに求めたりするシーンがあったりします。
カオルがその悩み相談を受けて「お前はオレかッ」と吐き捨てるシーンは見ものw
あとはナナちゃんが先生の相談に乗ってあげる、という第1話が逆転するようなシーンも。
ただねえ・・・結果的に「新しい首輪」が出来たから良いものの、先生がナナちゃんの首輪をつけてしまうのは・・・すごく嫌だったなぁ。。。
でもこれって第1話でのナナちゃんをなぞっていると考えたら、濃厚な性行為の描写は今後のナナちゃんとカオルをイメージさせるためのものだったのかもしれない。
いつかはそんな二人のエピソードも見られるのかなぁ・・・。
※ていうかあの描写はさすが・・・もともとエロ漫画出身の甘詰先生だけあるッ!!って感じ・・・。
カオルの葛藤
一方カオルは・・・ナナちゃんにふさわしい男となるべく勉強を続けていました。
・・・が、高校3年の新学期が始まろうという時期に、1年生の数学からやり直しているというレベル。
とても東大の赤本なんて理解できるわけがありません。
再びナナちゃんが手の届かないところへ行ってしまう妄想をしてしまい、克服したはずの「遠くへいってしまうナナを痛めつける」というあの感覚を思い出してしまうのでした。
二人の関係を繋ぎとめられる「言葉」があれば、どれだけ楽だったことか。
進化している首輪
・・・と、勉強を頑張らなければいけないハズのカオルなんですが、なぜか首輪を進化させていたというw
今までは留め具のところにリードを付けていたのを、強度的によくないという理由で首の後ろにつけるように改造してあったのです。
点助で団さんにも告げた「自分が成長する」という言葉がここに繋がってくるとはw
これはもうカオルは東大行きをやめて首輪職人になるしかないな!
・・・でもナナちゃんのための首輪だからこそ、ここまで熱くなれるんですよねえ・・・。困ったヤツだよ。
そんな首輪を見つけて、思わず首につけようとしちゃうナナちゃん・・・可愛すぎます。
本編のナナちゃんで1、2位を争う可愛さだったなこれ・・・(1位は断トツで初詣でTAKE2の時のナナちゃんなんだけど)
カオルに首輪をつけてもらって「これからはこう…なんだ」という言葉が自然と出る当たり、ナナちゃんの中では二人の関係が今後も続くものだと信じていたことがわかりますね。
カオル突然の沖縄行き
ひょんな言葉からカオルが思っていること、「いつまでも一緒じゃねーんだぞッ」という言葉を聞いてしまったナナちゃん。
カオルの言葉の真意は、本当は一緒にいたい、いつまでも一緒にいたいんだけれど、ナナちゃんが自分のものにならないのであれば一緒にいるほど辛くなってしまうというもので・・・自分がそこにふさわしい人間になれない以上はいつか別れが来てしまうということ・・・でした。
そうとは知らないナナちゃんは「どこか…行っちゃう…の?」「卒業したって別に私達…」と続けます。
だって「長く使いたいから」って一緒に首輪も作ったのに。
「オレは千草奈々のSだ」って言ってくれたのに。
・・・と、そんな最中、カオルの家の電話が鳴り・・・沖縄に行っていた母ちゃんが危篤だという報せを受けます。
煮え切らないままナナちゃんは、それでも「大切な人はいつも急にいなくなってしまう」ということを知っていたのでカオルを沖縄へ送り出すのでした。
まさか大切な人であるカオルがそのままいなくなってしまうとは思いもせずに・・・。