ナナとカオル17巻の収録エピソードと、読んだ感想です。
17巻に収録されている話
タイトル | 初出 | |
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第142話 | 高校3年生の青い春⑫ | ヤングアニマル 2015年No.18 |
第143話 | 高校3年生の青い春⑬ | ヤングアニマル 2015年No.19 |
第144話 | さよならは”息抜き”で① | ヤングアニマル 2015年No.20 |
第145話 | さよならは”息抜き”で② | ヤングアニマル 2015年No.21 |
第146話 | さよならは”息抜き”で③ | ヤングアニマル 2015年No.22 |
第147話 | さよならは”息抜き”で④ | ヤングアニマル 2015年No.23 |
第148話 | さよならは”息抜き”で⑤ | ヤングアニマル 2015年No.24 |
第149話 | さよならは”息抜き”で⑥ | ヤングアニマル 2016年No.1 |
第150話 | いない毎日(前編) | ヤングアニマル 2016年No.6 |
17巻は2015年後半~2016年前半に、ヤングアニマルに掲載されたお話が収録されていました。
沖縄編が終わったあとで2カ月ほど休載が入り、そのあとで最終巻に続くエピソードがスタートしたようです。
エピソード別まとめ
沖縄編(16巻~第149話)
カオルのいない息抜き(第150話~18巻に続く)
見どころ・読んだ感想
17巻は「ナナとカオル」本編における、二人の最後の息抜きが行われるフェチコンのお話が大半を占めていました。
この中で「紙の枷」を使うというものすごいショーがあり・・・甘詰先生はこれを2年も構想してようやく形にしたのだそうです。
もしこの作品を「SMなんでしょ・・・」と敬遠する人がいたら、この紙の枷のヤツこそ読んでほしいかなぁ・・・なんて思ったり。
※でもこの作品の本質ってそこじゃない気もするしなぁ。なんて他人に勧めにくい漫画なんだ!!
ナナちゃんからの電話
フェチコン打ち合わせの場でナナちゃんへの気持ちを吐き出したカオル。
そこにかかってきたのはナナちゃんからの電話でした。
ナナちゃんはすでに「カオルが好きだ」という気持ちに気づかされており、勇気を出して
あっあのね あのねカオル
あのね私 カオル…私ね 私…あっ 会いたい
と想いを伝えます。
今会ってもなにも変わらないと思っていたカオルですが、心底では自分だって同じ気持ちでいたことはわかっており・・・
オレ…もォ…
と泣きながら答えると目の前には涙目になったナナちゃんがいたのでした。
やっと会えたのに
その後、いつものように悪態をつきあう二人。
でもそれが長く続くことはなく・・・お互いダンマリになってしまいます。
でも本当は伝えたい気持ちがたくさんあるのに、それが言葉にならない。
「好きだから別れる」
「好きだからこそ相手の決意を尊重する」
「こんな気持ちが本当に言葉なんかで伝わるのか?」という不安が二人を襲っていたのです。
今までだって、だからこそ”息抜き”が必要だったわけで。
二人にとって今、必要なのは何かを見通していたアイさんは「旦那と息子が熱を出した」という理由を引き合いに、フェチコン出演をドタキャンするのでありました。
なんかこの漫画に出てくる大人って、すっごい粋な人ばっかりだよね。。。かっけええ。
※ただしアイさんはラストイヤーにおいてナナちゃんとガチで張り合う模様w
最後の”息抜き”
アイさんのドタキャンを受けて急遽フェチコンに出演することになったカオルとナナちゃん。
二人はこれが「最後の息抜き」だと考えて本番に臨むのでありました。
・・・が、お互いを想う二人の気持ちはすれ違い、いつものように繋がれることはなく・・・「痛い」だけの強引な縛りをしてしまうカオル。
ナナちゃんもどうにか応えようとするのですがうまくいかず、ついにはボブから「No!」声が発せられ、ショーは一時中断に。
なぜうまくいかないのか?
それは今行っていたことが”息抜き”ではなかったから、でした。
カオルとナナちゃんにとっての”息抜き”は決して行為そのものではないのです。
そこに気づくことができたカオルは京子さんに紙とホチキスを用意させ、伝説の紙の手枷による”息抜き”を開始するのでした。
・・・もうこの感動は本編を見て貰わないと伝えられない!
本当の気持ち
最後の息抜きで今までのプレイをなぞっていった二人。
思い出がよみがえる度、自分の本当の気持ちが溢れてくるのでした。
好きな人が決めたことなら尊重したいと思っていたナナちゃんの本当の気持ち、自分が辛くなるから「母ちゃんのために沖縄に残る」と決めたカオルの本当の気持ち。
それはお互いに「離れ離れになるのは嫌だ!」というものだったのです。(知ってた)
それでもなお、一緒にいることと離れること、双方の「辛さ」の狭間に揺れ崩れ落ちるカオルを見て、ナナちゃんは手枷を破り
私 幸せなんだよ カオルがいてくれたから
カオルのこと好き…好き…
と、言葉には出さずカオルを抱きしめました。
私 待ってるよ カオル 待ってる
知らなかった? 私は…変態なんだ♡カオルのMなの
そうカオルに目で伝えたナナちゃん。
(ここ、本編で一番いいシーン!!)
カオルには伝わったかなぁ。
きっと伝わったんだと思います。
カオルは自分を取り戻し、ショーは終わりを迎えました。
いつか必ず別れるときは来るということは受け入れつつ、今が永遠の別れの時ではないということを認め合った二人。
「またね!!きっと」と、離れていくのでした。
カオルのいない”息抜き”
東京に戻って来たナナちゃん。
カオルを縛って以来Sに目覚めつつある館さんとカオルのいない”息抜き”を始めます。
・・・こうなるともう”ただのM”なんだよなぁw
カオルじゃなくてもいいん??
”息抜き”の最中にナナちゃんの母が家に帰ってきてしまい・・・最終18巻へと続きます。
この時館さんに縛られた姿を(カオルに送ってやれ)と自身のスマホで撮影されるのですが、これがのちの事件へのプロローグになろうとはこの時は(作者先生以外)予想できなかったことでしょう・・・。